熱海市伊豆山地区逢初川において、2021 年7月3日10 時30 分頃、土石流の第1波が発生し、その後も正午過ぎまで数度の土石流が発生し、家屋等が押し流され、甚大な被害をもたらした。
この災害により、死者は27 名、災害関連死1名、全壊家屋53 戸を含む住宅等被害数は136 戸に及んだ(2022 年6月24 日現在)。 逢初川源頭部には、過去の地形データの比較や静岡県・熱海市の公文書等から、2007 年以降に盛り土が造成されたことが確認されている。
静岡県による災害前後の地形データの比較から、土石流の起点は盛り土が造成されていた逢初川源頭部であり、崩落した土砂量は約55,500m3、そのうち約7,500m3 が途中の砂防堰堤に捕捉され、約48,000m3 が下流域に流下したと推定される。
※出典:逢初川土石流の発生原因調査 報告書 令和4年9月8日 第1章P1-7 より抜粋、一部修正
静岡県が保管していた公文書は7つのブロックに分けて公表された。
@:土砂盛土・・・・・・発災地点
A:太陽光発電施設
B:緊急伐採
C:宅地造成
D:宅地造成
E:産業廃棄物
F:土砂投棄
土石流の起点は逢初川源頭部。
源頭部とは谷や渓流の最上流部の尾根に到達する場所指す。
あくまで一般的な地形上の呼び方で、逢初川の起点はここから数百メートル下流の砂防堰堤最上流部であり、発災地点自体は河川区域ではない。
図に示すように、逢初川と鳴沢川の流域界が発災地点の最上流部に位置している。
この資料からは消されているがOの指す方向には大型の排水施設が設置されている。
盛土の行為者に問題があるのは当然として、この隣接する宅地造成や、排水施設に問題が無かったかが注目されている。