_____熱海土石流原因究明プロジェクトチーム : 令和3年7月3日静岡県熱海市伊豆山で発生した土石流災害の原因究明・行政対応検証を行っています

11 水分調査の嘘~ The Lie of Water Flow ~


11―1.水分調査(すいもんちょうさ)とは?

河川用語

天体に関わる現象:「天文」
人間の関わる現象:「人文」
地下水や 地表水など「水の関わる様々な現象」:「水文」と呼ぶ

熱海土石流災害の報告書では表流水が地下水に移行した割合を調査した結果として
鳴沢川流域に降った雨の99%、蒸発、浸透等により下流流域で観測されなかった

= 地中で鳴沢川から逢初川へと地下水として流下したと結論付けている。


11―2.観測地点

流量観測
崩落地内において、常時流水がある箇所に三角堰を設け、流量を連続観測している。
また、比較の ために崩落地外でも同様に連続観測を実施している。

ここで、問題視すべきは崩落地外の R-6




11―3.R-6の流域

R-6の流域目が判る資料として下記の図面が示されている。
流域面積38.6ha。広大な流域を背負っている。



11―4.観測結果

報告書での評価



『ここでは降雨による水量のうち、どれだけの割合が観測点に流出したかを「流出率」として最右欄に示した。前述のグラフで見たように、R-1、R-2、R-3は流出の総量が雨の総量を上回っているため流出率が100%を超えていることから、集水域外からの地下水流入が推測される。一 方、R-5は流出率7%、R-6 は1%とわずかであることから、地中への浸透や蒸発散による消失 が大きいと思われる
     

11―5.大胆な『ウソ』

まず、99%の64,000㎥もの雨水が浸透や、蒸発で消失しているのであれば、これはこれで大事件だ。
この時点でしっかり再検証するだろう。

ここで、令和3年7月16日に公表された現地調査結果の資料を確認する。
雨水排水の流下経路を調べた結果を、緑の線で記載している。少し見えにくいので水色の線で主要部分を記載、P-6地点も水色で記載した。
この、資料を見てわかるように


実は下記の図の水色に着色した範囲しかR-6に流入していない。
99&の水が、どこかに行ったのではなく、R-6の1%の面積の水しか計測箇所に流下していないだけで、多くの水が地下に浸透していると言う前提が『ウソ』なのだ。