_____熱海土石流原因究明プロジェクトチーム : 令和3年7月3日静岡県熱海市伊豆山で発生した土石流災害の原因究明・行政対応検証を行っています

4 水の流れ~ Water Flow ~


4―1.無視された排水施設

 発災地点の最上部、2mも離れていない箇所に大型の排水施設がある。
 下記の図の『⑪』の箇所。
 この側溝は、可変勾配側溝と呼ばれるもので近接した個所の断面は幅60cm、高さ130cm人が通れるほどの内空断面がある。 この側溝が直角に曲がり住宅地側へと流下する形状となっている。
  一般的に、側溝の屈曲部には、維持管理の為に桝を設置するのが一般的だが、ここに桝は設置されていなかった。
  設計上ここは最高流速 V=4.5m/s で、 Q=2.8㎥/s の水を流下させる能力がある。発災当日の雨で計算すると、排水施設が全て正常に機能していたとすると、Q=1.9㎥/s の水が流れていた計算になる。この雨水排水が排水施設内を直角に曲がり、流下していく。屈曲部分の内壁には約10トンに近い力が働く、当然、四方に噴出そうとするが出口が下流側しかない。本当に計算通りに水は流れ下る事が出来たのか疑問に思うのが当然の事ではないかと思う。
※開示請求資料:④宅地造成設計図書
  設計上ここは最高流速 V=4.5m/s で、 Q=2.8㎥/s の水を流下させる能力がある。発災当日の雨で計算すると、排水施設が全て正常に機能していたとすると、Q=1.9㎥/s の水が流れていた計算になる。この雨水排水が排水施設内を直角に曲がり、流下していく。屈曲部分の内壁には約10トンに近い力が働く、当然、四方に噴出そうとするが出口が下流側しかない。本当に計算通りに水は流れ下る事が出来たのか・・・・・

 発災後に撮影された⑪箇所の写真。右後ろに発災箇所の崖面が写っている。
発災箇所はこの左側に写っている排水施設の1m程度離れた場所がの最上端部となっている。

2.排水施設の閉塞

 発災直後、静岡県東部土木事務所が行った現地調査結果の速報で、この排水施設が閉塞していた事が報告されている。
 実は子の排水施設の上流側では側溝に適切に蓋が設置されておらず、土砂や木の枝などが流入できる状態になっており、桝の設置もない事から屈曲部に木々や土砂が堆積していたと思われ、排水施設自体が正常に機能していなかったという事になる。

 下記は、2021/07/09 16:55 熱海土木職員⇒難波副知事指示への現地調査報告メールで、その一部を抜粋したもの。
『(2)・・・・一部土砂の堆積により写真⑤付近で雨水の一部が流出していた可能性がある。』
下記の資料はメールに添付されていた資料の一部抜粋、水色の線はこちらで加筆したもの。 ⑤の位置は排水施設の屈曲部の上流側に位置する。 ①土砂の盛土が崩落個所となる。


3.一枚だけ外れていた蓋

 この側溝排水施設には2mに一枚蓋が付いている。この蓋が1枚だけ外れてた箇所があり、それが⑤地点に該当する。

 (以下準備中)